アクワイアラとイシュアって何？役割や決済代行の仕組みも解説

本記事では、アクワイアラとイシュアの役割や決済代行会社の仕組みを紹介します。クレジットカード決済の詳しい仕組みを知りたい方は、本記事を参考にしてみて下さい。

• クレジットカード決済の仕組み
• アクワイアラとは
• アクワイアラの役割
• 代表的なアクワイアラ
• イシュアとは
• イシュアの役割
• 代表的なイシュア
• アクワイアラとイシュアの違い
• 決済代行とは
• 決済代行の役割
• アクワイアラと決済代行の違い
• 決済サービスの導入には決済代行の利用がおすすめ

クレジットカード会社と聞くと、VISA・MASTER・JCB・American Express・Diners Club Internationalのような有名な国際ブランドをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
クレジットカード会社には決済機能を提供している国際ブランドだけではなく、様々な業務形態の会社が存在します。クレジットカード会社の仕組みや業務を下記で紹介しているので参考にしてみて下さい。

クレジットカード決済の仕組み

ユーザーがクレジットカード決済を使用した場合、裏側ではクレジットカード会社間での情報のやり取りが行われています。カード会社の役割と流れをこちらの項目で確認していきましょう。

クレジットカード決済の仕組みの詳しい解説はこちら

【カード会社の役割】
・国際カードブランド：国際的に使用できる決済システムを提供するクレジットカード会社（Visa、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club International、銀聯、Discoverなど）

・アクワイアラ(加盟店契約会社)：国際カードブランドと加盟店を取り次ぐ会社。国際ブランドからライセンスを取得し、加盟店の審査・管理などを行う。
・イシュア(カード発行会社)：国際カードブランドとユーザーを取り次ぐ会社。クレジットカードの発行を行う。
・決済代行会社：加盟店の審査や契約手続きに加え、売上入金管理などを代行する会社。アクワイアラ・イシュア・加盟店・ユーザーの間に介入し、決済に関わる一連の手続きや運用を代行。

【決済完了までの流れ】
①ユーザーがイシュアを通してクレジットカードを発行します。

②ユーザーがクレジットカードを利用すると、アクワイアラや決済代行会社に対して利用情報が送信されイシュアに届きます。

③送信された情報に基づき、事業者はアクワイアラから決まった支払い期日で手数料が支払われます。また、アクワイアラはイシュアから同様に代金が支払われ、ユーザーはイシュアに代金の支払いを行います。

引用元：決済代行会社とは

アクワイアラとは

アクワイアラは、国際カードブランドと事業者を取り次ぐ代理店のような存在で、日本では加盟店契約会社のことを指します。事業者から受け取った売上げデータをイシュアに渡し、売り上げ代金をイシュアから徴収して事業者に受け渡します。また、アクワイアラは事業者が支払うカード手数料の一部が収益源となるため、新規加盟店の開拓も重要です。

アクワイアラの役割

アクワイアラには、「加盟店の新規開拓」「加盟店の審査」「イシュアへの代金請求」の3つの役割があります。下記で詳しい内容を確認していきましょう。

加盟店の新規開拓

アクワイアラは、クレジットカードが使用できる加盟店を集め、増やしていく役割があります。事業者が国際ブランドを利用するためには、アクワイアラと契約を結ばなければなりません。 加盟店開拓は主に、①営業部門による開拓、②店舗やECサイトからの直接申込み、③決済代行会社を介した加盟店獲得の3通りがあります。

加盟店の審査

加盟店を慎重に審査することも、アクワイアラの大きな役割です。取り扱っている商品やサービスがクレジットカードでの販売に向いているかなどを審査します。また、加盟店への支払い取り次ぎや契約締結後の加盟店管理も行います。

イシュアへの代金請求

イシュアは、ユーザーから支払い料金の回収が必要ですが、加盟店との契約を結んでいないため、直接支払いはできません。アクワイアラがイシュアの代わりに加盟店への支払いを行うため、支払った分の代金請求をイシュアへ行います。

代表的なアクワイアラ

日本の代表的なアクワイアラは、下記があげられます。
・三井住友カード株式会社
・三菱UFJニコス株式会社
・楽天カード株式会社
・株式会社クレディセゾン
・ライフカード株式会社
・UCカード株式会社
・トヨタファイナンス株式会社
・株式会社ジェーシービー
・SMBCファイナンスサービス株式会社
・イオンクレジットサ－ビス株式会社
・株式会社オリエントコーポレーション

イシュアとは

国際カードブランドとユーザーを取り次ぐ会社で、クレジットカードの審査や発行を行います。国際ブランドと加盟店の取り次ぎを行うアクワイアラに対し、イシュアは国際ブランドとユーザーの間に立ち取り次ぎを行います。

イシュアの役割

イシュアの役割は大きく分けると「クレジットカード発行」「カード会員への代金請求」「クレジットカードの不正利用管理」の3つに分類されます。下記で詳しく紹介していきます。

クレジットカード発行

イシュアは、クレジットカード会員の新規会員募集や、カードの発行が主業務です。ユーザー獲得のために、独自の特典やポイントなどの用意も行います。また、ユーザーにとってアクワイアラはあまり関わりのない存在ですが、イシュアはカードの申込みや毎月の支払いで関わることが多く、馴染みのある存在と言えます。

カード会員への代金請求

ユーザーが使用したクレジットカード代金は、イシュアが消費者の口座から引き落としを行い、アクワイアラを経由して加盟店入金されます。そのため、イシュアにはクレジットカード利用者の利用状況を管理し、利用明細の発行や引き落としを行う役割があります。

クレジットカードの不正利用管理

利用者が安全にクレジットカードを利用できるよう、不正利用を監視することもイシュアの役割です。利用限度制限や不正検知システムを導入し、被害の低減対策を行っています。また、カードに記載されているセキュリティコードの発行や、インターネット上で個人情報の確認を行う本人認証もイシュアの役割です。

代表的なイシュア

日本の代表的なイシュアは、下記があげられます。
・三井住友カード株式会社
・三菱UFJニコス株式会社
・株式会社クレディセゾン
・UCカード株式会社
・株式会社ジャックス
・トヨタファイナンス株式会社
・SMBCファイナンスサービス株式会社
・American Express International
・株式会社ジェーシービー
・株式会社オリエントコーポレーション
・イオンクレジットサ－ビス株式会社
・楽天カード株式会社

アクワイアラとイシュアの違い

アクワイアラは国際ブランドとライセンス契約を結び、加盟店の募集と管理を行います。イシュアはユーザーとブランドのあいだを取り持つ役割があり、クレジットカード発行を担当しています。しかし、日本ではアクワイアラとイシュアの役割を分けているケースは少なく、多くの会社が両方の業務を兼任しています。

決済代行とは

VISA・Mastercard・PayPayといった決済ブランドとカード決済を導入したい事業者を仲介し、決済サービスを提供する会社のことです。決済代行会社は、国内金融機関を経由して決済処理を行う『国内決済』と、海外の金融機関を通して決済を行う『海外決済』の大きく分けて2種類に分かれています。

決済代行の詳しい解説はこちら

決済代行の役割

決済代行会社には、「加盟店と包括契約を結ぶ」「加盟店の審査」「イシュアへの代金請求」の3つの役割があります。下記で詳しく紹介していきます。

加盟店と包括契約を結ぶ

決済代行会社を利用した場合、各カード会社との契約に必要な手続きは全て決済代行会社が代行します。そのため、事業者は決済代行会社のみと契約となります。また、導入後の売上金入金などの経理処理にも間に決済代行会社が入ることで、売上げの一元管理が可能です。

加盟店の審査

決済代行会社は、加盟店が何らかの理由で商品の提供中止や業務停止となった場合、ユーザーからの支払い料金を回収できないリスクを負うこととなります。リスクを避けるためにも、加盟店となる前に事業者の経営状況等を踏まえた信用度の審査を行います。

加盟店へ売上げ金を入金する

ユーザーが購入した分の支払い料金は、イシュアからアクワイアラへ支払われ、アクワイアラから決済代行会社へ支払われます。決済代行会社を利用している場合、アクワイアラと加盟店の直接的なやり取りは行われないため、決済代行会社はアクワイアラから支払われた料金を加盟店へ入金する役割があります。また、複数の決済手段を導入していても決済代行会社を利用することで入金日を揃えることができ、管理の煩雑さの削減も可能です。

アクワイアラと決済代行の違い

アクワイアラと決済代行会社には、「取り扱う決済サービスの種類が違う」「手数料が違う」「運用面が違う」の3つの違いがあります。下記で詳しく紹介していきます。

取り扱う決済サービスの種類が違う

アクワイアラと決済代行会社では、取り扱う決済方法の種類が異なります。アクワイアラではクレジットカード決済が導入できるのに対し、決済代行会社ではクレジットカード決済の他、QRコード決済や交通系・流通系電子マネーなどを一括で導入できる会社もあります。導入したい決済方法の種類でどちらと契約をするのがお得なのかが変わります。

手数料が違う

アクワイアラと直接契約を行う場合と決済代行会社を利用する場合とでは、仲介が入るため手数料が異なります。アクワイアラと直接契約を行う場合、ひとつ当たりの手数料は決済代行会社を仲介するより安く収まる可能性がありますが、導入したいカードブランドを扱っているアクワイアラと個々に契約する必要があります。複数のアクワイアラと契約した場合の手間と手数料を考えると、決済代行会社を利用して一元管理できることで手間が削減され作業の効率化が図れます。

運用面が違う

アクワイアラと直接契約を行った場合、カードブランドごとに支払いサイクルが異なる場合があります。そのため、複数のアクワイアラと契約を行った場合、管理が煩雑になりやすくなりますが、決済代行会社を利用することで支払いサイクルを揃えることができます。 また、決済代行会社を利用する場合、カード番号や決済に使うIDなど、セキュリティリスクの高い情報は決済代行会社が保持してくれます。決済代行会社も様々なセキュリティ対策で守られているため安心です。

決済サービスの導入には決済代行の利用がおすすめ

決済代行会社を利用することで、手間や管理の煩雑さの削減ができることやセキュリティの高い情報を保持してもらえることなど、様々メリットが挙げられます。事業者が決済サービスを導入する場合、直接契約を行うと入金サイクルもブランドごとに異なり管理が煩雑になります。一方で、決済代行会社を利用することで支払サイクルを揃えることができ、管理にかかる時間の削減も可能です。また、一括で導入したいブランドの契約ができるため、手間となる手続きも減らすことができます。導入後のサポートが付いている決済代行会社も多いため、初めてキャッシュレス決済を導入する事業者でも安心して利用できます。